エプソン L−500Vについて


L-500V
落ち着いたスタイリングになったエプソンのコンパクトデジカメとしては終焉期のモデル

☆ジャンク度☆
不具合無し
撮影可能


L-500V L-500V
 レンズはミノルタのディマージュG400と同じGTヘキサノンと同じものだという噂がある。
 ちょっと信じられないのだが。

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 やや厚ぼったいボディだが、2004年に登場したコンパクトデジカメとしては標準か薄い方だろう。

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 小さなグリップだが、効果あり。

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 基本的にはオートカメラであり、人間の介入は限定的である。
 プリンタメーカーらしく、印刷関係のショートカットキーが独立している。

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 液晶ビュワーの描写がとても美しいのが特徴の一つ。

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 特徴的なスティック型の十字キー。ちょっと硬いが節度は良好。
 操作系は合理化しており、あまり細かな設定をするカメラではない。
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 中国製でございますな。


L-500V
 本カメラがレアなのはシグマDPシリーズと同じ電池を採用するのだ。
 こんなカメラは他に見たことがない。


 デジカメの黎明期から参戦しているエプソンである。35万画素級のCP−100の頃から、当時としては美しい描写で一定のフォロワーを形成していた。しかし、デジカメ戦争が激化し、当初は参戦に懐疑的であったニコンやキヤノンといった伝統的光学機器メーカーや家電の巨人であるパナソニックが本格的な参戦を始めると、写るためには何かと犠牲にしてきたコンパクトデジカメも製品として精錬され、スマートになった。エプソンの美しい描写という評判は、コアモデルが200万画素級の時代までは支持を得て、CP−800Sあたりまでは、そこそこ売れていたようだ。しかし、エグいスタイリングとか、トリッキーな操作性もあって廃れてしまう。新世紀になってもエプソンが細々と新モデルを投入していたのは知っていたが、実戦の導入は確認できなかった。拙僧が把握していたのは2003年に登場したL−400辺りまでだった。ところが、最近になってL−410の存在を知る。こいつは2004年に登場した400万画素級デジカメなのだが、興味深いのはスタイリングである。L−400とは枝番が10番しか違わないが全く異なるモデルであり、どうしても拭えなかった「スタイリング上のエプソンらしいエグさ」が息をひそめ、スマートなモノになっている。PCサプライ品のようであっさりしすぎている風にも見えるが、シンプルで好ましい。そして、本カメラである。L−410の後裔機が出ていたのもビックリだが、流石に本カメラがエプソンのコンパクトデジカメとしては最期のモデルのようだ。噂だとエプソンL−510(V?)があるらしいのだが、どうも本カメラをエプソンのプリンターとセットにしてTV通販サイトで売っていたらしい。逆に言うと、本カメラはカメラ単体として売っていた形跡がある。ただ、やっぱりチャネルはカメラショップではなく家電ショップだったようだ。
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 ブラックの金属製ボディが好ましい。シンプル過ぎるという意見もあるが、拙僧はエプソンの冒険的なスタイリングをあまり評価していないから、本カメラの少しあっさりしたスタイリングは評価したい。落ち着いているが、少しモダンな雰囲気もあってバランスを保っている。どうも、2004年のグットデザイン賞を受賞したらしい。ここでいうデザインはスタイリング(外観)ではなく設計を含んでいるので、カメラとして機能やインターフェイス周りも含めて評価を受けたという事なのだろう。そこまで褒めたカメラでもないと思うのだが。
 登場は2004年の10月である。撮像素子は500万画素級で、当時としては標準的なモノ。レンズはライカ判換算で34〜102mmF2.8〜4.9と常識的。当時としては34mmをカバーするだけで、わりと広角な方だろう。気になるのが、ミノルタのディマージュG400が搭載するGTヘキサノンと同じものだと噂がある。本カメラのレンズは逆光にやや弱く、特に望遠側だと描写がかなり怪しくなる。GTヘキサノンはタフなレンズなので、個人的には同じものだとは信じられないな。確かにサイズもルックスも似ているのだが。もしかしたら中東向けのT−72みたいにダウングレードした物なのかもしれないな。コーティングをチープにしただけで、だいぶ違うはずだから。定価ベースでは41800円なのだが、登場から半年後には家電量販店で2万円を切っていたらしい。そういう運命のカメラなのだ。2005年に500万画素級のコンパクトデジカメが2万円を切っていたら、購入のモチベーションとなっただろう。ニコンやパナソニックは買えないが、ひとまず聞いたこともないブランドでもない。
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 実際に撮影してみると、やや動作がもっさりしているが、時代と価格を鑑みると、妥当な線だろう。インターフェイスは、かなりあっさりしている。合理化したメニューとスティック型十字キーで操作系を簡素化している。ちょっとカッコいいスティック型十字キーは硬さがあるものの節度も良く、それ自体の出来は悪くないのだが、それで合理的なインターフェイスになっているかというと、そこまで考えたデザインとは言えないのではないか。でも、グットデザイン賞を受賞しているしなあ。合理化の一つでもあるのだろうが、本カメラはオートカメラであり、人間さんが設定する余地はかなり少ない。ノーマルも含めて5つシーンモードも搭載するが、豊富な数とは言えないだろう。もっとも、拙僧はシーンモード何て滅多に使わないから、欠点だとは思えない。拙僧にとっては、フラッシュさえ勝手に光らなければ充分である。
 エプソンのデジカメは鮮やかだが、強烈な画像処理がビビットで攻撃的な発色を描くのが特徴だった。本カメラは、エプソンのデジカメにしては落ち着いた発色である。ただ、AEが若干プアなのかちょいちょいオーバーになる。2004年に登場したカメラとしては、やや不安定だ。どうも、前年に登場したL−410とは趣の異なるカメラで、デザインチームに改編があったか、もしかしたら外注に出したのかも。何れにしろ、エプソンのコンパクトデジカメは事実上、本カメラで終焉してしまうのだが。
 本カメラの特徴は液晶ビュワーで、とても美しく画像を表示する。実際に撮影画像をPCで見ると発色もアッサリ気味だから、ちょっとがっかりしちゃうかもしれないな。晴天下での見え具合がそれなりに弱いが、健闘している方だろう。何せ、家電量販店で2万円を切ったカメラだ。本カメラの登場時、コンパクトデジカメの液晶ビュワーは2型か1.8型が標準だったが、本カメラは2.5型と大型の液晶ビュワーを搭載している。プリンタメーカーとしては印刷したくなるような美しい画像を表示するのが生命線だったのだろう。
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 フィルムメーカーが販促の為にも簡単で美しく写るカメラを作ったように、プリンタメーカーであるエプソンも美しく写るデジカメを作った。しかし、今の若い連中は撮影画像もプリントもしないで、大型の液晶ビュワーかタブレット端末で撮影画像を見せ合っている。個人プリンタのビジネスモデルも難しくなったが、DPEショップはもっと深刻のようだ。エプソンのデジカメ製造の大義名分が成立しなくなってしまったのかもしれないな。
 本カメラがユニークなのはシグマDPシリーズと同じ規格のバッテリーを採用しているのだ。これはカシオのエクシリムシリーズのNP−40と同じサイズで、実際に電池室にも入るのだが、端子の位置が違うので使うことができない。拙僧の知る限り、シグマ以外のカメラで、この電池を採用するカメラは他に見たことがない。
 どういう事情で採用に至ったのか知らないのだが、もしかしらシグマが設計の一部を請け負ったのかなあ。全く根拠がないんだけど。

 では、撮影結果(名古屋散歩編)をご覧頂きたい。

(了:2014/3/30)

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