キヤノン IXYデジタル900ISについて


IXY900IS
キヤノンのコアモデルであるIXYシリーズは本カメラで一つの完成に至った。

☆ジャンク度☆
不具合無し
撮影可能


IXY900IS IXY900IS
 最初はレンズの銘板が欠落した個体を手に入れた。
 銘板やレンズカバー以外にも、色々と問題のある個体だった。
 広角側でライカ判換算28mmを実現したのは立派。


IXY900IS IXY900IS
 キヤノンのIXYデジタルは一流のブランドである。
 起動時にレリーズボタンのLEDが特徴的。


IXY900IS IXY900IS
 このズーミングレバーのデザインはパナソニックなどと同様の一般的な物。
 オーと撮影モードとマニアル撮影モードの切り分けが時代的。
 マニアル撮影モードといっても、絞り優先AEモードやマニアル露出モードを搭載するわけではない。


IXY900IS IXY900IS
 大振りな液晶ビュワーが特徴的だが、光学ファインダーも残す。

IXY900IS IXY900IS
 操作系は常識的。

IXY900IS
 バッテリーはNB−5Lを採用。
 これがNB−4Lだったら使い物にならない。


 2006年秋に登場したIXYデジタルの中核機である。本カメラでIXYデジタルは一つの完成形に達したと言える。世代的にはIXYデジタル20ISと同世代である。廉価機のIXYデジタル20ISの方がデザインとしては攻めている感じだが、キヤノンに挑戦的なテクノロジーを廉価機からはじめるものだ。
 主なポイントは「ライカ判換算で28mmの広角ズームレンズ」「光学式手振れ補正機構」「顔認識AF”フェイスキャッチテクノロジー”」「高感度」の4つである。「若さ」や「冒険的」のイメージがあるキヤノンだが、新規技術の採用は慎重で、特にIXYデジタルは失敗できないブランドだから、慎重の具合も重かった。画像処理アプリケーションが「DIGIC III」へグレードアップしたのがガジェット好きの方々の関心らしいのだが、拙僧のような末端のスナップシューターの感心ではない。なので、その辺がどう違ったかはよくわからない。拙僧は違うカメラで撮影した同じ風景の画像を、PC画面で拡大して違いを確認したり納得したりする趣味は無いからな。あえて付け加えるとすれば、「顔認識AF」はかなりあてになるが、高感度の画像の仕上がり具合はイマイチだ。万能を求めるのも酷であろう。そうでなければ高感度や肌色の再現で得意を放つファインピクスシリーズのアドバンテージが立たない。
 ライカ判換算で28〜105mmF2.8〜5.8広角系光学3倍ズームレンズは、我々のようなスナップシューターには福音である。広角では「アユは広がる」のパナソニックがルミックス DMC−FX01で先行して、キヤノンも苦しい戦いをしたと感じていた。しかし、ちゃんと調べるとルミックスも登場が2006年の2月だか3月なので、思ったよりもアドバンテージは短かった。もっとも、当時の速度戦を展開していたデジカメ大戦において、半年は決して短くないデュレイだったのかもしれない。
 キヤノンの「IXYデジタル」のブランド展開と持続は特筆的な成功例だ。「IXYデジタル」と聞くと何となくぼんやりとイメージが沸く。しかし、そのイメージは世代や趣向によってかなり異なるのではないだろうか。IXYデジタル(初代)のスタイリングはAPS判コンパクトカメラのIXY(初代)を踏襲する。そのスクエアなスタイリングがクールとされて、APS判コンパクトカメラという割と不遇なジャンルでも成功したのだ。IXYデジタル(初代)の以前からキヤノンはデジカメ戦争に参戦しているが、本格的な参戦はIXYデジタル(初代)の投入である。パワーショットA5のようなIXYっぽいスタイリングのデジカメも出していたが、かなり大柄でクールを感じないからIXY銘をキヤノンは与えなかった。キヤノンもIXYブランドを大切にしたのだろう。幾度か根本的に変更になったIXYデジタルのスタイリングポリシーだが、本カメラのようなスタイリングを形成したのはIXYデジタル600あたりから継承しているのだろう。IXYデジタル600はわりとモダンなルックスなのだが、バッテリーが旧世代じみていて時代を感じる。それがIXYデジタル800ISになると機能面でも充実して光学?ブレ補正機構を搭載するようになった。本カメラは、IXYデジタル800ISの延長上にある。外観的に目立つ違いはIXYデジタル800ISでは何故かブラックだった背面部が落ち着いたグレーになった。ここがエグイとを批判している方がそこそこいらっしゃったので、キヤノンも対応したのだろう。インターフェイス周りは、電源スイッチが上面に写って電源投入後にLEDが光るようになった。この頃のキヤノンはモードダイヤルに「再生」「オート撮影」「マニアル撮影」「シーンモード撮影」「動画」をダイヤルで切り替えていたが、IXYデジタル800ISではダイヤルの一部を露出して操作する方法だったが、本カメラではダイヤル全体を露出して、一種のレバー式切り替えに変更している。操作的には本カメラのモード切替レバーはクリックが軽く、迂闊に変わっていることもあるので褒められたものではない。こういう点はパナソニックなどの家電屋に一分のノウハウがありそうだ。「マニアル撮影」と言っても、任意の露出が選択できるわけではなく、ホワイトバランスなどの限定的なプロパティを設定できるのみだ。そういえば、本カメラはIXYデジタルシリーズとしては初めて露出値を液晶ビュワーに表示する。本カメラの最も画期的なのは28mm相当の広角と露出値の表示かもしれないな。これによって、AEが勝手に人間に対応できないようなスローシャッターを算出していることを確認できる。
               ☆          ☆
 キヤノンは「IXY」のブランドを大切にした。何時の間にか「IXYデジタル」から「デジタル」を廃し、コンパクトデジカメのブランドとしても「IXY」としたようだ。今更「IXY」ブランドが、登場時から敗戦が決まっていたAPS判などというフィルム(と現像システム)カメラのブランドだったと記憶している方も少ないだろう。驚いたのが、先日、キタムラの廉価コンパクトデジカメのコーナーで6000円台のIXYを見つけたのだ。無論、新品である。1600万画素くらいだと思うのだが、哀れでマトモに見ていない。しかし、AFのレスポンスはライカXバリオやソニーのサイバーショットRXシリーズよりもイイくらいだった。勿論、IXYとはいえ廉価モデルとライカXバリオやソニーはAFステップの精度がまるで違うだろうから比較はファアじゃないだろうけど、一方は中古価格でも20〜30万円なのだから、一瞬でも6000円台のカメラに負けると思わせてはいけないと思うんだけど。
 最近(2014年3月)のキヤノン公式HPを見ると、IXYシリーズは「スタイリッシュズーム」という位置づけのようだ。最も高位と思われるIXY140は光学10倍ズームレンズに2000万画素級撮像素子を組み合わせるそうだ。凄いなあ。シリーズにはIXY630という番手からすると上位機種があるのだが、撮像素子は1600万画素級に抑えたもののWi−Fi対応だそうだ。ということはネット経由でTV番組とか動画とか見れるのだろう。この際だからLINEあたりと提携して無料通話を搭載したら携帯電話との差別化を考えずに済むので楽なのではともうのだが、LINEはAuと提携しているから大人の事情があるのだろうか。
 キヤノンも廉価モデルは撤退を決めているようだから、今後はえげつなく安いIXYも登場しないのだろう。コンパクトデジカメは600〜800万画素級時代が一番幸せだったと思うのだが、今更、しょうがないよな。眼鏡市場でツアイスのレンズが選べるように、キヤノンやニコンのカメラユニットを登載する携帯電話とか登場するのだろうか。いや、既に納入しているかもしれないな。ニッコールレンズと搭載したスマートフォンならちょっと欲しいかも。IXYブランドのスマートフォンを白い犬が弄る未来は明るいかもしれないな。滅亡するよりは。

 では、撮影結果(イルクーツク散歩編)を見て頂きたい。

(了:2014/3/2)

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