キヤノン IXYデジタル20ISについて


IXY20IS
先代に比べてやや丸くなったフェイスライン

☆ジャンク度☆
不具合無し
撮影可能


IXY20IS IXY20IS
 広角側がライカ判換算で38mmと先代に比べて若干長くなった。
 手ブレ補正機構なんかよりも気になる方が多いだろうな。

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 直線回帰が美しかった先代のIXYデジタル10に比べて、やや丸みを帯びているのが気になる。
 大人になって丸くなった、何かしらの体制に日和見ったのだろう。

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 センターのブラックラインを残しているのはセクシーである。

IXY20IS IXY20IS
 操作系は常識的で不満はない。

IXY20IS
 光学ファインダーを残しているのはキュートである。

IXY20IS
 本カメラの最大の弱点はバッテリーとしてNB−4Lを採用しているところだ。
 このバッテリーは現在においては全く使い物にならない。


 本カメラが登場したのは2008年3月である。既にコンパクトデジカメは手振れ補正機構や高感度の対応、限定的ながらも顔認識AFなどを搭載し、近代のコンパクトデジカメとしては完成の域に達していた。メーカーによって、それぞれに至らない点を持ったカメラも存在したが、僅かな時間で殆どを解決した。
 キヤノンのIXYブランドと言えば、カメラや光学機器に留まらず、戦後に成功した工業製品のブランドとしても特筆である。そこそこのマーケッターや広告屋のコンテンツや酒呑み話としてしばしば登場する程だ。今回はコンテンツを軽くしたいので掘り下げないが、IXYのブランドは今や消滅したAPSで始まり、現在(2014年)においても継続している。IXYと聞けば。世代によって若干差異はあっても似たような形状を想像するだろう。それは確かに凄いことだ。拙僧の個人的な感覚からすると、IXYデジタルが最も輝いていてたのは、この頃の600〜800万画素級の時代である。本カメラの登場時、キヤノンはIXYデジタルシリーズだけでも3クラスを構成していた。キヤノンに言わせると、「プレミアム」「アドバンス」「スタンダード」である。「プレミアム」にはIXYデジタル2000ISを割り当てていた。拙僧は、この4桁系のIXYデジタルには出会ったことが無い。無論、当時のキタムラの新品コーナーのいい場所を確保していたのだろうが、拙僧の関心はジャンクコーナーと中古コーナーだけだから全く気付かなかったな。「アドバンス」はIXYデジタル900ISである。これは拙僧の師団も装備していたことがあるのだが、IXYデジタルの完成形の1種だと思うな。「スタンダード」に相当するのが本カメラであるIXYデジタル20ISになる。つまり、最もお値打ちと言うか廉価な位置づけだ。しかし、この頃のキヤノンの序列は混乱していた、上位機種のIXデジタル900ISが710万画素級撮像素子なのに対し、本カメラはそれよりも画素数の多い800万画素級だった。勿論、90万画素程度の画素数の違いが撮影画像に影響があるはずもなく、撮像素子の大きさも違ったりして、単純に800万画素級の本カメラが偉いわけではない。しかし、IXYデジタルのようなカテゴリーのカメラを求めるターゲット層にとっては画素数の大きさは重要な判断材料だったろうな。カタログスペックの数字が画像のクオリティに直結しるのではないと、ちゃんと説明すれば納得するし、店頭のポップにも画素数の他に撮像素子のサイズも表記していただろうけど、量販店の店員を煩わせる原因にはなったろうな。
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 本カメラの素晴らしいパフォーマンスは多くのコンテンツで紹介しているので、拙僧の拙いコンテンツでは個人的な印象を中心に紹介させていただきたい。本カメラの前身となるのがIXYデジタル10である。これはIXYデジタルシリーズが光学手振れ補正機構を搭載する前後の時期に登場したモデルである。IXYデジタルシリーズが初めて光学手振れ補正機構を搭載したのがIXYデジタル800ISなのだが、こいつは600万画素級だ。ちなみに光学手振れ補正機構を非搭載のIXYデジタル600が710万画素級だったりして、キヤノンのIXYデジタルシリーズの採番は、既に親戚時代のスホーイSu−27系戦闘攻撃機のように混乱していた。IXYデジタルIXYデジタル10はスペック的には突出したモデルではないのだが、本来のIXYブランドが忘れていたソリッドなボディがクールで、久しぶりに小気味の良いエッジの立ったモデルだった。顔認識AFどころか手振れ補正機構も搭載しないが、カメラとしての基本性能はほぼしっかりしていて、写真は補正ではなく腕で撮る方なら響くカメラだった。”ほぼ”というのは、このIXYデジタル10の唯一の弱点がバッテリーだった。IXYデジタルシリーズのバッテリーは、IXYデジタル(初代)の頃から褒められたものではないのだが、IXYデジタル10の採用するNB−4Lは欠陥品と言えるほどプアなのだ。新品の時から持続性はイマイチだったのだが、今となっては全ての個体がまず使い物にならない。拙僧の経験では純正がダメなら互換品もダメで、新品の互換品を手に入れたとしても満足を得ることは稀と思われる。僅かに使い物になっていると話を聞いたことがあるが、悲観的な可能性が高い。
 本カメラは人並のコンパクトデジカメとして手振れ補正機構や顔認識AFを登載している。手振れ補正手振れ補正機構はパナソニックのルミックスDMC−FX1に、顔認識AFはニコンのクールピクスやフジフィルムのファインピクスが先行していた。キヤノンというと企業年齢の若さや技術の先取りをイメージするが、EOS(フィルム)以降のキヤノンは、コストリーダーシップの大胆さは顕著なものの、先端技術の導入は慎重に見える。IXYのブランドは特に慎重で、失敗を極力避けているようだ。本カメラはIXYデジタル10と比べると、幾分フェイスが丸顔になって、ちょっとパナソニックのルミックス DMC−FX01が羨ましかったのだろうか。親しみやすくなったのかもしれないが、エッジの切れ味を失って”ヤバい”魅力が無くなったな。シルバー地にブラックのラインがスマートさを残しているが、人並みと言う気がする。手振れ補正や顔認識AFの出来はよくわからない。ラチュード(ダイナミクスレンジ)がややプアな気がするが、同世代のパナソニックやソニーが大胆な画像補正をするのにたいして常識的という見方もある。画像のクオリティがIXYデジタル10に比べて向上したとは思えない。画像エンジンが新しくなったとも聞くが、お利口になった代わりに雑な仕事が苦手になった気がするな。勿論、十分な光源下では素晴らしい写りをする。特筆はマクロ撮影が使い物になったことだろうか。IXYデジタルは伝統的にマクロ撮影が苦手だった。
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 人間が(自分が)不器用だからなのだろうが、先代のプリミティブなIXYデジタル10を好ましく思ってしまうな。何れにしろバッテリーがプアなのが致命的で、現在では満足に稼働するのは難しいだろう。キヤノンが併用したIXYデジタル800ISなどが採用するNB−5Lはそこそこ使い物になるが、それなりに膨らんでいたりして不安が残る。そういう点ではパワーショットSシリーズなどはタフだし、廉価シリーズのパワーショットAシリーズは単三型電池を使用するから逆に安心だ。
 最新のIXYデジタルシリーズはよくわからないのだが、先日キタムラの廉価コンパクトデジカメコーナーでIXYシリーズの何かしらが7000円くらいで転がっていた。あれほどキヤノンがブランド力の維持に慎重だったIXYも安くなったものである。店頭でちょっと弄った感じだが、ライカのXバリオよりもAFのレスポンスは早かったな。AFの精度がまるで違うだろうからフェアな比較ではないが、IXYの名に恥じていない。何時の間にかIXYデジタルは”デジタル”がとれてIXYブランドになったようだ。

 では、撮影結果(三河散歩編)を見て頂きたい。

(了:2014/2/17)

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