フジフィルム ファインピクスZ10fdについて


FinepixZ10fd
屈折光学系スリムボディで始まったZシリーズの熟成モデルである。

☆ジャンク度☆
無し
撮影可能


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 なかなかクタビレタボディである。 
 使い込んだのであろう。

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 ライカ判換算で37〜114mmF3.7〜4.2の屈折光学3倍ズームレンズを登載。

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 基本的にオートカメラである。


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 曲線を取り入れてカジュアルな雰囲気でデザインしたのだろうが、ちょっともっさりした感じになっている。

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 円環系の十字キーだが、操作の割り当てがイマイチ不自然。


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 使い込んで傷だらけの液晶ビュワー。
 バッテリーは複数のメーカーで幅広く採用するNP−45。
 メディアはxDピクチャーカードとSDカードを併用。

FinepixZ10fd
 残念ながら水没で完全ジャンクに。

 レンズというのはある程度の全長が必要である。全長とは一番前のレンズからボディまでの長さだ。この際、焦点距離とフィルム(撮像)面の関係とかテレタイプとか、難しい話は割愛させて頂きたい。超広角レンズや4枚以下のレンズで構成した単焦点レンズならともかく、光学2〜3倍ズームレンズになると短くできない。なので沈胴したり伸長したりするのだが、ボディの厚さを許容していて、レンズを多段式で格納も楽だったフィルムコンパクトカメラに比べると、なかなかデジカメのズームレンズのコンパクト化は難しかった。常識的なスタイリングのデジカメだとペンタックス オプティオSカシオ エクシリム EX−Z3のスライド格納式レンズの登場まで逡巡となる。
 一方でコニカミノルタ ディマージュXシリーズが屈折光学系ズームレンズ機というジャンルを開拓する。これは光学系にプリズムを噛ましてボディ幅や高さの分だけレンズ長を稼ぐものである。アイデアとしてはフィルムメラ時代にも存在し、フランスのサイクロプスや日本製の一眼レフのTTL測光。ミラーを使用した光学系の切り替えだがオリンパス AF−1シリーズだって理屈は似たようなものだ。実際、屈折光学系ズームレンズを搭載したのはミノルタのディマージュXよりもオリンパスのC−1ズームの方が先らしい(一説によるとサイバーショット DSC−D700が先らしい)。しかし、スリムボディというパッケージングとしての出来として開拓したのはミノルタだから、それは評価に値するだろう。もっとも、すぐさまソニーからはサイバーショット DSC−Tシリーズが出てミノルタの苦戦はリカバーできずにコンシューマカメラから撤退となる。

                ☆           ☆

 ソニーと同じ時期にフジフィルムから登場したのがファインピクスZシリーズである。ミノルタのディマージュXは金属製ボディながらも200万画素級であり、やや普及クラスだった。後に樹脂製ボディで単三型電池仕様のディマージュX2桁シリーズが更に普及機として登場する。サイバーショットTシリーズもファインピクスZシリーズも、最初から500万画素級撮像素子を搭載し、スタイリングも攻めていて屈折光学系ズームレンズを高位のブランドとして位置づけた。ちょっとレンズが暗いとか、構造上液晶ビュワーに負担がかかり実際に割れたりとか、何かと不都合があったのだが、概ね好意的に市場は評価したようだ。困ったのは記録媒体であり、サイバーショットはメモリースティックDUOでファインピクスはxDピクチャーカードだった。これらはSDカードやコンパクトフラッシュよりは確実に高くついて、屈曲光学のブランドに金を払う気になっても、財布のひもは固くなった。当時のソニーならガジェット好きが身銭を払っただろうが、ファインピクスだとちょっと弱いな。しかし、ファインピクスZシリーズはそれなりに成功したようで、割と最近(2014年1月ファインピクスZ2000EXR)まで血脈は続く。
 本カメラは2008年3月に登場した。2007年11月に登場したファインピクススZ5fdが屈曲光学系ボディのポリシーである直線基調のスリムなルックスなのに対し、やや丸め込んだスタイリングがもっさりした感じを受ける。カジュアルな雰囲気を出したかったのだろうが、率直に言って安っぽくなってしまったな。後続のファインピクスZ70は曲線を組み合わせながらもボリューム感を出してタフは雰囲気を実現し、ファイのピクスZ100fdは直線基調に戻っているので、やっぱり本カメラのカジュアル過ぎなラインはフジフィルムも問題視したのだろう。画期的だったのは、本カメラがxDピクチャーカードとSDカードを併用可能な点である。既にフジフィルムは白旗を上げていたのだろう。ソニーがメモリースティックを諦めるのは、もう少し先になる。

                ☆           ☆

 簡単に諸元を紹介すると、撮像素子は700万画素級でライカ判換算で38〜114mmF3.2〜4.2の光学3倍ズームレンズを搭載する。絞りは恐らく虹彩絞りではないと思われるがF3.7・F4.9・F8の3ステップである。最短撮影距離は広角側で8cmだが望遠側だと60cmなので、ここは物足りないところである。感度は最速でISO1600まで用意しているが、これは緊急用と考えた方がイイだろう。内蔵メモリで54MBを用意しており、これはそこそこの容量だからカードを忘れてもある程度対応できるだろう。総じて必要充分なカメラである。
 似たようなジャンルで700万画素級だとクールピクスS8に相当するのだろうか。比べると質感などはちょっと苦しい感じだが、売り値も相当違ったであろう。撮影日が雲天続きだったのだが、それにしても発色がフラットでオトナしい。それはそれで画像処理のいじりが少ないという見方もあるが、元気印のファインピクスのイメージからすると物足りない気もする。不思議なのは被写界深度が浅いようで、広角側でF4.9でもパンフォーカスにはならないようだ。人間が1歩前後にずれただけでアウトフォーカスになるケースがある。
 もっとも、拙僧の行進間射撃によく対応していると評価していいだろう。それなりにシャッター速度が遅れることもあるが、そこそこのAFのヒット率である。ルミックスDMC−LZ10のようなスペックばかりが立派でダメなカメラだってあるのだ。
 (追記:2014/9/12)
 その後、2台目を確保したが、晴天下では程よいナチュラルな発色だった。照度が不十分な場合に過剰にソフトな描写になるようだが、普通に晴れた屋外なら自然な描写が楽しめる。エッジや発色が過剰なデジカメが多い中、貴重な存在である。廉価なカメラだし、これで逆光にもう少し耐えれば、よくできたフジフィルムらしいカメラと言えるのだが。
 (追記:終わり)

                ☆           ☆

 拙僧の個体は液晶ビュワーに細かい傷がつき過ぎて見え辛い程だが、商品としてのクオリティが低いというよりは過酷な環境によく耐えたのだろう。それを拙僧は水没で葬ってしまった。罪が深いなあ。
 しかし、最後の華として活用したと思うのだが。

 では、撮影結果(三河七夕祭り編)をご覧頂きたい。

(了:2014/8/4)

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