フジフィルム ファインピクスF300EXRについて

FinepixF300EXR

☆ジャンク度☆
無し
撮影可能


FinepixF300EXR FinepixF300EXR
 これはビックリ、ライカ判換算で24〜360mmF3.5〜5.3の光学15倍ズームレンズを登載。
 感度は最速ISO12800モードまで登載と、もはや無敵か。

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 自動的にポップアップするフラッシュは頂けないな。
 有機的なスタイリングのボディはグリップを形成する。

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 光学15倍ズームレンズを搭載するとは思えない薄型ボディ。


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 斜めにオフセットしたコマンドダイヤルが操作性を向上する。

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 複数のISO感度上限オートモードを搭載する。


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 電源は複数の上級ファインピクスが採用するNP−50。
 そこそこ信頼できる電池だ。

 本カメラは2009年登場したファインピクスF200EXRの後裔機である。しかし、ファインピクスF200EXRが1.6型と大振りな撮像素子を搭載していたのに対し、本カメラは2型と小振りになっている。また、高倍率ズームレンズの搭載からしても、直接的にはファインピクスF70EXRの系列を引き継いだと言える。フジフィルムとしては画質が良い光学5倍ズームレンズ機と画質は少々落ちるが光学10倍ズームレンズ機のどちらが売れるか試してみて、結局後者が売れたのだろう。いくらメカライターが「小さな撮像素子に無理に高画素を詰め込んだ為の無理」なんて言っても、所詮はコンシューマの目はお数字なのである。
 登場は2010年、1200万画素級の撮像素子にライカ判換算24〜360mmF3.5〜5.3の光学15倍ズームレンズを登載する。それでISO感度は制限付きながら上限がISO12800である。数字だけみれば最早無敵である。勿論、実際にはそれで一眼レフデジカメの代わりになるような代物ではないのだが、それでもよくぞこのコンパクトなボディに、このレンジのズームレンズを押し込んだものだと感心する。撮像素子はCCDで後裔機のファインピクスF550EXRではCMOSになった。これは性能向上というよりはフルHDに対応するのに都合が良いかららしい。なんでもCCDの方がコストがかかって若干画質も良いらしいのだが、このクラスであまり気にする方はいらっしゃらないのではないだろうか。
                ☆           ☆
 カメラを眺めてみよう。ファインピクスF70EXRやファインピクスF200EXRもエッジがとれたスタイリングだったが、本カメラは一層有機的な曲線で構成している。そこそこ明確なラバー付きグリップも形成していて、ホールディングに難の有った従来モデルを改善している。やはりレンズの収納がギリギリなのだろうか、鏡筒基部が曲線で盛り上がっているところなど、少しエロチックでイイ感じだ。電源ボタンはボディ上部にあり、小さなボタンで少々操作性には欠ける。しかし、起動は素早くモダンなカメラである。ちょっと惜しいのは自動的にフラッシュ発光部がポップアップされてしまうところだ。実際にはフラッシュ発光禁止モードにすればフラッシュ発光はしないのだが、精神衛生的に良くないな。特徴的なのはコマンドダイヤルが斜めにオフセットしており、操作しやすい。大抵の場合、こういう小細工はポジティブに働かないのだが、本カメラの場合は上手くいっている。モードはオートモードとEXR優先モードの他にマルチモードAEを搭載する。この種のコンパクトカメラでシャッター優先AEや絞り優先AEの意義は感じないが、欲しい方もいらっしゃるだろう。拙僧はシンプルなプログラムAEを選択する。
 AFユニットはコントラストAFと位相差検出AFのハイブリッドになっている。コンパクトデジカメとしては珍しい。ちなみに位相差検出AFは後裔機のファインピクスF550EXRでは省略されてしまった。それで本カメラの方がAFのスピードや精度が良いという程ではないので、コストをかける程の効果は無かったのかもしれないな。本カメラのAFはスピーディでそこそこヒット率も高いが、無論一眼レフデジカメに肉迫するほどではない。手振れ補正機構を搭載し、オートでISO1600モードを搭載する割には手振れやシャッター速度の遅さでブレてしまうのがちょっと不思議である。スナップのような速度戦で、もう少しプリミティブなコンパクトデジカメでヒット率が高いカメラがある。ISO感度の最速はISO12800だが、その際には300万画素相当に限定される。多分、撮像素子を補完させているのだろう。1200万画素をフルに使えるのはISO1600までで、ISO感度オートにはISO1600までモード、ISO800までモード、ISO400までモードを用意している。ISO800モードだと顕著にノイズが確認できるから、そういうのが嫌な方はISO400までモードに設定した方がイイだろう。拙僧は割と写っていればよいタイプなのでISO1600までモードにしたが、それでもピントが流れてしまうのでちょっと切ないな。
 本カメラの具骨頂はEXRモードである。これはハニカムCCDのようにフジフィルム独自の発想による撮像素子を活用したモードだ。撮像素子の使い方を自動または手動で3方式のモードに切り替える。高解像度優先(HR)モードは、全ての画素を生かして解像度の高い画像を得る。高感度低ノイズ優先(SN)モードは、隣接する画素を1つの画素として利用することで感度を2倍に高めつつ、低ノイズを可能にする。ダイナミックレンジ(DR)モードは、隣接画素にそれぞれ異なる感度を持たせることで、ダイナミックレンジの広い画像を得る。これらは、例えば先行するファインピクスF700とかファインピクスF10とか、高感度とダイナミクスレンジに拘るフジフィルムの技術の集大成と言える。拙僧はあまり積極的に使わなかったが、上手く使えば効果的なのだろう。
 ちなみに「犬モード」と「猫モード」を搭載し、可愛いペットちゃんの顔を認識してAFとレリーズを連動するモードがあるらしいのだが、無論、拙僧は使っていない。
                ☆           ☆
 本カメラは翌年に発売となったファインピクスF550EXRと外観も良く似ている。何が違うかというとファインピクスF550EXRは画素数が1600万画素級になり、フルHDに対応し、撮像素子がCMOSになった。この種のカメラに1600万画素も必要かという疑問もあるし、CCDの発色の方が好きだという意見もあるようだ。また、ファインピクスF550EXRはGPSを登載している。これは、新大久保のどんな黄昏た居酒屋で撮ったネギまを記録するには便利なのだろうが、拙僧は要らないな。
 本カメラの肝心は24mmから始まる光学15倍ズームレンズだろう。この24mmは凄い。画面の4角を強烈に引っ張る。また、スナップのような迅速な撮影では強烈に流れる。これが超広角の効果というのはちょっと疑問でパナソニックのルミックスDMC−FX40はそんな事にはならない。もっとも、ルミックスDMC−FX40は光学5倍ズームレンズだから、やっぱりこのサイズに光学15倍ズームレンズを組み込むのは何かと無理があるのだろう。パースペクティブやブレに気を付けてじっくり撮影擦れば事情は異なるのかもしれないが、そんな撮影スタイルではないしな、拙僧は。
 なのでパフォーマンスは秀でているのかもしれないが、拙僧の戦闘にはマッチしないカメラである。

 では、撮影結果(大須観音散歩編)をご覧頂きたい。

(了:2015/12/15)

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