ミノルタ ディマージュA1について


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まだデジ一眼レフを出していない頃のミノルタ旗艦モデル。

☆ジャンク度☆
不具合無し
撮影可能


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 デジカメ時代のミノルタの高級レンズブランド、GTを関する。
 気合の28mmから始まる光学7倍ズームは時代的には大したもの。


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 当時、大きなアドバンテージだった、手動で伸長するズームレンズ。
 これが電動(モーター)だったら、かったるくて使い物にならない。


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 フラッシュは勝手に光ったりしないスマートな仕様。
 効果的なグリップ。


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 松本零士メカを思わせる複雑な操作系は、お好きな方にはたまらない。


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 モノクロ液晶パネルを装備しているのが時代を感じる。
 これはこれで使いやすいモノだ。


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 可変アングルのEVF。


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 常識的な階層メニュー。


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 スライドスイッチで液晶ビュワーとEVFを切り替える。


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 ディマージュ7シリーズでは単三型電池4本仕様だったが、本カメラでは専用電池仕様になった。
 このバッテリーは後のデジタルαスイートやα100も採用する。



 ミノルタが凄惨なデジカメ戦争への参戦に後塵を拝したのはディマージュ7シリーズで詳しく述べた。本カメラは、そのミノルタが社運を賭けたフラッグシップの後裔機である。ディマージュ7シリーズはその素晴らしい素性を持ちながらも、幾つかの致命的な欠点を持ち合わせていた。2003年10月に登場した本カメラでは、それらの欠点をほぼ払拭している。レンズと撮像素子は従来のモノを踏襲し、ルックスも従来のイメージを彷彿させるものだが、全面的に再設計したと言っていいだろう。大きく変わったのは下記の通りである。

・手ぶれ補正機構(アンチシェイク補正)の搭載
・画像処理技術の向上
・AF/AEの速度・精度の向上
・電源を単三型電池4本仕様から専用電池仕様に変更
・液晶ビュワーにティルト機能を搭載

 「手ぶれ補正機構」は明らかに効果がある。低照度かで「これは無理だろうな」と思われたシーンでも、背景がブレていても肝心の被写体にはフォーカスが合っていることがしばしばあった。この手ぶれ補正機構は一般的な光学系を動かして補正するものではなく、撮像素子を動かして補正を行うメカニズムになっている。もしかしたら、光学系を再設計したくなかったのかもしれないが、効果は抜群である。レンズはミノルタが高品質を誇る「GT」レンズで、解像力からすると十分なパワーを持っている。しかし、広角側での湾曲は顕著で、この辺は割り切りが必要だ。レリーズボタンの押下から実際に撮影が切れるのは1秒+α。益々厳しさを増す近代的なスナップ戦闘ではやや物足りないが、ある程度即応力は期待できる。
 「画像処理技術の向上」は「AF/AEの速度・精度の向上」と関連がある。画像処理技術はソフトウェアとハードウェアの両方をブラッシュアップし、より鮮明な画像を正確に再現するようになった。具体的には複雑に明暗差を含むシーンでも破綻無く画像を再現する。逆光の強いシーンでは空を飛ばしてしまうことはあるが、肝心の被写体の鮮やかさと諧調を残していてクレバーだ。ただ、近代のデジカメと比べるとダイナミクスレンジはプアだが、この辺は時代的に仕方がないな。AFはそれまでのディマージュ7シリーズよりも明らかに速度・精度が上がっている。従来の7シリーズでは被写体が中央にあってもしばしばフォーカスを外すことがあったが、本カメラではほぼ皆無と言っていい。それで合焦速度が向上しているので近代的な戦闘に十分耐えうる。コンテンツによってはシャドウのノイズを指摘する向きもあるが、そんなことで写真がダメになるなら、それはカメラのせいではなく、人間のクオリティの問題だと思うな。ライバルはルミックスDMC−FZ5あたりになるのかもしれないが、安定性から言ったら本カメラの敵ではないな。
 電源の変更は残念と思う方もいらっしゃるだろうが、十分な合焦速度と手ぶれ補正機構と引き換えならフェアだ。バッテリーはグリップ部に格納し、それまでボディ下部に単三型電池4本を格納していたボディに比べると小型になったと感じ、引き締まっている。公式には300カット以上の撮影ができるとされるが、実際にそのくらいは撮影できそうだ。バッテリーはその後のデジタルαスイートやα100と共通のモノである。恐らく、設計時にはデジ一眼レフの設計も並行していただろう。
                      ☆                ☆
 現在の視点では信じがたいことであるが、当時のミノルタの陣営はデジ一眼レフを持っていなかった。なのでミノルタのフラッグシップは高倍率ズームレンズ搭載型EVF機の本カメラであった。ディマージュ7シリーズから継承した500万画素級の撮像素子は良いものだったが、2003年時のフラッグシップとしてはパワー不足が否めず、翌年の早い段階で800万画素級の撮像素子に換装したディマージュA2が登場している。一説によると本カメラの発売価格は13万円ほどで、2万円ほどをプラスするとEOSキスデジタルのレンズキットが買えたそうである。それだと本カメラは全く勝てないように思えるが、EOSキスデジタルのレンズキットに付属するレンズは光学3倍ズームほどの標準レンズだ。望遠側が必要ならフィルム時代の望遠ズームレンズが廉価に確保できただろうが、かなり嵩張ったものになる。それに比べると本カメラは28〜200mmF2.8〜3.5と実用に十分な焦点距離と明るさを誇っている上に、ずっとボディはコンパクトだった。今ならマイクロフォーサーズのようなミラーレス一眼が存在するが、当時はそんなものは無かった。なので携帯を重視する「分かった方」に対するニーズには十分に応えた。ただ、「一眼レフは大きくて当たり前」という旧来の価値観から逸脱できない遅れた連中が多く、本カメラが正当に評価されたかといえばイマイチだったようだ。
 ミノルタのデジ一眼レフの登場が遅れた原因はよく分からない。しかし、本カメラの登場時にはコニカとの合併が決まっており、実際にディマージュA2はコニカミノルタブランドで登場した。時間を待たずしてコンシューマ用光学機器部門をソニー(とケンコー)に売却してしまったのはご存知の通りだ。現場は相当混乱していただろう。コニカにしろミノルタしろ、我が国の感材・光学機器の創世記から存在したメーカーなので消滅は寂しいな。
 もっとも、生き残っているメーカーやブランドも前途はそれほど明るいものではない。それでも、かつては世界の覇権を握った日本製コンシューマユース工業機器の中で、現在でもリードを保っているのは光学機器と自動車くらいだから、オリンパスなど苦しい台所事情の企業もあるが頑張って欲しいものだ。


 では、撮影結果(近江八幡左義長祭り編) をご覧頂きたい。

(了:2016/3/26)

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