パナソニック ルミックスDMC−LZ10について


DMC-LZ10
乾電池式という生い立ちが彼の存在を軽んじている。

☆ジャンク度☆
無し
撮影可能


DMC-LZ10 DMC-LZ10
 ライカ判換算で30mmから始まる光学5倍ズームとなると、否が応でも期待してしまうな。
 銘板にもバリオエルマー銘が誇らしい。


DMC-LZ10 DMC-LZ10
 撮像素子の画素数は1010万画素級。
 ISO1600まで対応するから、数字だけなら無敵と思うわなあ。


DMC-LZ10 DMC-LZ10
 ずんぐりとしたスタイルだが、ホールディングは良好。
 過去のLZシリーズに比べるとスリムになった。


DMC-LZ10 DMC-LZ10
 液晶ビュワーのクオリティは価格並み。


DMC-LZ10 DMC-LZ10
 操作系は基本的には標準的なルミックスを踏襲している。
 本カメラはクラスとしては異例のマルチモードAEを登載するから、多少窮屈にはなっている。


 拙僧のカメラ・レンズを話題にしたコンテンツは、基本的には特徴的な外観の画像を並べて、その次に文章を記述している。ところが、本カメラの最も特徴的な部分の撮影を忘れていた。ブツは既に良い値段で旅立っているので、今更撮影は出来ない。本カメラの最大の特徴は電源が単三型電池2本を使用する点だ。デジカメのコアモデルが300〜400万画素級だった頃には、電源に専用リチウム電池を採用するのではなく、汎用的な単三型電池を採用するするメリットが十分にあった。しかし、本カメラの登場した2008年には既に単三型電池を採用するカメラは、すなわち安カメラであった。その特徴故に、パナソニックからも軽んじてデザインされた形跡があるのが残念である。
 拙僧は標準的な使い方をする限り、600万画素級撮像素子を搭載したデジカメが、ある程度の完成度を実現した以降のコンパクトデジカメなら、大抵の場合問題は無いと思っている。具体的にパナソニックで例を出すとルミックス DMC−FX01だな。ルミックス DMC−FX1から始まったDMC−FXシリーズは、標準的な焦点域のズームレンズに手振れ補正機構を組み合わせるのがコンセプトだ。最初からそこそこ使い勝手の良いカメラだったのだが、ルミックス DMC−FX9辺りまではバッテリーの持ちがイマイチだったり、機械的信頼度がイマイチだったり、ISO感度の上限がイマイチだったり、完成度がもう一歩だった。それが、枝番を2桁にしたルミックスDMC−FX01で一定の完成度を成功させた。実際に、それ以降のルミックスは今でも生き残っている可能性が高い。しかし、欲を言えばライカ判換算で28mmという当時としては特筆した広角域を実現したものの、これといった突飛な特徴を持っていない物足りなさはあった。つまり、画質では今一歩、ニコンやキヤノン、ソニーに比べると押しが弱く、カシオやリコーのようなユニークな特性で勝負したカメラとも違う。しかし、安定した完成度と言うのは代えがたい特徴でもあり、キャラクター付けとしても広角に強くをモットーにした。本カメラと同時期だと、ルミックス DMC−FX35の頃で、こいつは総合的な完成度の高さとライカ判換算で25mmまで広角側を広げた光学4倍ズームレンズを搭載していた。1010万画素級の撮像素子も見事な画像を作り出し、ミドルレンジのデジカメとしては当時のパーフェクトの一つに挙げることができる。そのルミックスDMC−FX35を穂沸する1010万画素級撮像素子を搭載する単三型電池仕様の廉価デジカメとなれば、当然、期待する。勿論、電源が単三型電池になって、価格も下がれば多少のパワーダウンは避けられないだろう。実際にレンズもライカ判換算で30〜150mmF3.3〜5.6と、広角側でルミックスDMC−FX35から比べると物足りないな。しかし、ひとまず、光学5倍ズームレンズである。ちょっと前まで28mmをカバーするだけで大したものだったのだから、30mmでも不足は無いだろう。ライカのバリオエルマーだしね。それに、本カメラはスペックを見ると素晴らしい。「5つのシーンを自動で判別「おまかせiA(インテリジェントオート)モード」や「最大15人まで認識する顔認識AF/AE機能」は常識的な特徴だが、本カメラは絞り優先AEやシャッター速度優先AE、マニアル露出と言ったマルチ露出モードを搭載しているのだ。それも、絞りもNDフィルターの切り替えによる2段とかではなく、虹彩絞りを搭載している。単三型電池型の廉価コンパクトデジカメとしては、かなり珍しいのではないだろうか。見落としてはいけないが、本カメラは「光学式手振れ補正機構」を搭載している。単三型電池2本を電源とする廉価デジカメは多いが、手ブレ補正機構が「電子式手ブレ補正機構」の場合が多い。これは、標準クラスのスチルデジカメにいち早く「手振れ補正機構」を組み込んだパナソニックならではの技術のノウハウとこだわりを感じるな。それでいて、ISO感度は1600まで用意しているから、ちょっとこれは無敵ではないだろうか。マクロモードが広角側5cmなのは兎も角、望遠側で100cmというのは大分物足りないが、前述のスペックを見たら許容範囲じゃないかな。それで実売価格が3.5万円っていうんだから、凄いよなパナソニックって。流石、パナソニックだ。
                ☆                 ☆
 しかし、当然のことながら、そんなにうまい話は無いっすよね。いくらパナソニックっていったって、魔法使いじゃないんだから、値段も性能もパーフェクトっていう訳にはいかないっすよね。本カメラは、実際に使うと大いに裏切られる。本カメラは「パナソニックのテクノロジーのノウハウで単三型電池による電源のパワー不足を補い、高性能を実現する」というポリシーでデザインしたものではないだろうな。恐らく「単三型電池なんて安カメラにするしかないんだけど、パナソニックのテクノロジーとノウハウを安直につぎ込んでも、ひとまずこの位のスペックにはなっちゃうんだよね」という生い立ちを持つとしか思えないな。逆に言うと「いろいろと足りないところはあるんだけど、単三乾電池を使っても、そこそこ使い物になる燃費とレスポンスを実現」というような明快なコンセプトでつくられた安カメラに比べると、大いに中途半端なカメラだ。いや、ハッキリ言って至らないところだらけだ。
 昔はデジカメの小型化に制限があったから、自由に制約がある単三型電池でも大した問題にならなかった。専用リチウム電池の耐久性にも限りがあり、何しろ専用リチウム電池が高額だった頃は単三型電池を電源として採用するのもメリットがあった。勿論、普通のアルカリ乾電池なんて使ったら、あっという間に電池切れでランニングコストの節約にもならなかったが、ひとまず使い物になる充電式単三型電池が比較的廉価だったから、使い勝手にそんなに差は無かった。専用リチウム電池は高かったし、モデルによって品質がマチマチで、大きい割にはスグにエンプティになるモデルも有ったし、2年もしないうちに膨らんで極端に寿命が短くなったり使用できなくなるものもあった。初期の物は充電時間も長く、メモリー効果も無視できなくて、結構、ナーバスな運用を強いられたのだ。しかし、デジカメが単三型電池よりも薄くなり、専用リチウム電池の信頼性が高くなって安くなると単三型電池のメリットがなくなる。一方で、デジカメの省エネ化が進んでアルカリ乾電池でも、そこそこ使い物になるようになると、「そんなにカメラも使わないし、お金もかけたくない」というニーズにフィットするようになる。勿論、倍率の高い光学式手ブレ補正機構付きのズームレンズにパワフルなAFを組み合わせるなんて出来ないが、普通の3倍ズームレンズでそこそこのレスポンスなら満足なニーズもあるのだ。専用リチウム電池もタフネスになったが、アルカリ乾電池のように自然放電に全く無頓着という訳にもいかない。写真なんて記念写真しか撮らない方からすれば、100円ショップの単三型電池4本で400カットも撮影できれば十分である。特に海外にニーズがあるんじゃないかな。あいつらは貧乏だし、日本人ほど撮影に熱心じゃないしね。なので、少なくても2006年あたり以降の単三型電池仕様のデジカメは燃費を期待されていたし、メーカー側も期待に応えたのではないだろうか。ペンタックスのオプティオE70は、同じ1000万画素級の撮像素子を持ちながらも、レンズはライカ判換算で35〜105mmF3.1〜5.9の常識的な光学3倍ズームレンズだし、手ブレ補正機構は電子式で安くまとめたカメラである。しかし、レスポンスは人並と言うか、本カメラに比べれば大いにあてになる。画像だって安定的で、多少光線状態に影響を受けるが、後年の安カメラの酷い物に比べれば随分良い物だ。液晶ビュワーが明らかに安物で晴天下で見え辛いが、多少はしょうがないよな。そして燃費は素晴らしい、ペンタックスの良心を垣間見ることができるエントリーモデルである。しかし、本カメラの燃費は酷い物だ。というか、パナソニックは電池というのを舐めているのではないだろうか。いや、かつてフィルム時代はストロボのパワーソースはナショナルだったり「金のパナ」だったりしたが、充電式のエボルタなんて酷い物である。兎に角、買って1年経ったかそこらのエボルタを、充電完了直後に本カメラに挿入しても全く動かない。これなら、100円ショップの充電式単三型電池の方がマシだ。三洋が無くなって、エネループの行く末を心配している。5年前のエネループだって、未だに使い物になる。エボルタだけになったら本当に困るなあ。そのエネループを使っても、本カメラが「電池消耗警告」を表示するのは、かなり早いな。オプティオE70/E80の高燃費とは比べ物にならないな。
 それにレスポンスが著しく悪いな。兎に角、もっさりしたカメラなのだが、AFが悲観的な程遅い。スナップ撮影には使い物にならない。2008年に登場したカメラが、レリーズボタンを押下してから実際に画像を記録するまで5秒以上も掛かるってどうよ。しかも、光学式手ブレ補正機構って、本当に動作してるのかあ?拙僧は画像にノイズが入ったて気にしないから、高感度モードで撮っていたのだ。スペックでは自動的にISO1600までゲインアップするはずなのよ。なのに、晴天下の明るいアーケードで手ブレしてんのはどういうことなの。撮影情報を見るとISO200で1/30なのよ。何のための高感度モードっていう話なんだけど、そもそも広角側で1/30なら手ブレ補正機構がちゃんとしていたら、手ブレを吸収しても良くないかい。そもそも、結像しない場合も多い。デジカメとして重要なユニットの何もかもが著しく精度が悪いよ。ちなみに、拙僧は過去のシリーズのルミックスDMC−LZ2も持っているんだが、大して変わらないな。(追記:DMC−LZ2は本カメラに比べて、かなり安定したカメラである。もしかしたら、この個体に問題があったのかもしれない)ということは、そういうカメラでもひとまず満足なニーズがあるのか。拙僧には、パナソニックが廉価モデルを決定的に馬鹿にしているとしか思えないのだが。
                ☆                 ☆
 ちゃんとピントが合っていて、手ブレもしていない画像はそれなりに綺麗である。しかし、使い勝手は旧世紀デジカメ並みだから、動きものは撮れないな。高感度モードのゲインアップは全くあてにならないから、マニアルで設定する必要があるし。マルチ露出モードなんて、全く使う気がしないですよ。
 単三型電池を使用するカメラと言うとオリンパスのFE−320も酷いカメラなんだが、あれはスペック的に奢ったカメラではないしな。価格なりとは思っても、騙された感じはしない。
 こんなカメラを褒めているライターもいらっしゃるんだから、本当にメディアっていうのはあてにならないなあ。


 では、撮影結果(名古屋雨天)を見て頂きたい。

(了:2013/7/29)

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