コダック DC3800について


DC3800
完成度の高さは今でも伝説になっているコダックのデジカメ。

☆ジャンク度☆
無し
撮影可能


DC3800 DC3800
 旧世紀はコダックも元気にデジカメを投入していた。
 実際に作っているのが諏訪湖だったりしてもイイじゃないですか。
 ニコンのデジカメがマレーシアのどの辺で作っているかなんて、気にもしないじゃないですか。

DC3800 DC3800
 エクタナーの単焦点に2.1メガピクセルの組合せ。
 何か、不足でもあるだろうか。

DC3800 DC3800
 微妙なカービングが有機的で惚れちゃうよな。


DC3800 DC3800
 旧世紀デジカメだから光学ファインダーは標準装備だ。


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 フレンドリーでシンプルな操作系。
 DC220Zoomとかの凝って重くなったインターフェイスに懲りたのだろう。

DC3800 DC3800
 単三型電池にコンパクトフラッシュの組合せ。
 旧世紀の視点からすればパーフェクトな選択肢だろう。


DC3800 DC3800
 有機的なスタイリングに参ってしまう。
 メイドインジャパンだから、安心して使えます。

 コダックのデジカメと言うと「ダイナマイトなボディ」、「ゴージャスな機能」、「グラフィカルなOSに全く至らないパワーソース」とOHVのアメ車に相応なものであった。DC210AZoomDC260Zoomもそういうカメラだった。DC280Jあたりになると使い物になるのだが、プラチナゴールドってのが安く見せてしまう。そういう傾向はCX7330あたりになっても継承しちゃうのだが、それがコダックの意思なのかチノンのアドバイスなのかは分からないな。確定しているのは新世紀以降もコダックには「ゴーンさん」に恵まれず、連邦裁判所の管轄になってしまうのだ。
 それに比べると、本カメラは常識的なセンスで無理のないデザインになっている。スタイリングが「ややセクシー路線」なのは、北米ブランドとしては致し方なしか。特筆すべきなのは本カメラの「カメラとしての真面目度」の高さだ。本カメラは、明らかに常識的なカメラとしてのパッケージングを目指している。登場は旧世紀ギリギリの2000年である。単焦点のライカ判換算で33mmF2.8のレンズを、当時は「ワイドレンズ」として取り上げたようだ。F2.8の「明るさ」も高評価だったようだな。スペック的には「コニカC35EF”ピッカリコニカ”」なのだが、そんな常識的なスペックを満たすデジカメが旧世紀には珍しかったのだ。電源は単三型電池2本で、当時の視点では充分なコンパクトサイズ。ライバルがファインピクス4500やIXYデジタル(初代)と聞くと、厳しい戦争を想像するが、ファインピクスはスマートメディアだし、IXYデジタルは定価ベースで殆ど9万円くらいした。本カメラは記録媒体は汎用性の高いコンパクトフラッシュだし、定価ベースで5万円くらいで、実売ベースでも3万円台だったようだ。十分な商品力はあったと思うのだが、日本では販売チャネルが不足していたのか、バランスの良さに反して供給力が弱かったようだ。
                ☆                 ☆
 理想は立派でもハード面のパワーソースの不足で運用に支障を生じていたのがメガピクセル時代のコダックである。その後、「ドラックストアの吊るし売り」という北米で最もニーズのあるジャンルに相応のDC3200をコダックは投入する。ドラックストアのレジ入り口で透明なプラスチックケースで吊るされて199ドルのプライスタグをつけていたら、そこそこ売れたのだろう。しかし、それではビビターの安カメラと変わらないよなあ。南米人なら喜んでロンドンドラックで買うかもしれないけど、仮にも大和民族の拙僧はジャンクプライスのファインピクス40iと比べちゃうから手を出すわけにはいかないよな。大陸内部の方だって半島の方だって、ひとまずバンクーバに住める身分ならドラックストアのブツは買わなかった。それに比べると、本カメラの「常識的なカメラ」としてのスタイリングは引き立つ。繰り返すが、旧世紀のデジカメはそのくらい安定性が低かったのだ。いや、本カメラのスタイリングだって「和瓦調」で、IXYデジタルに比べたら常識的とは言えないのだが、前述の通りコダックのデジカメはデザインがゴージャスすぎて大和民族との親和性がイマイチだったのだ。本カメラの登場が2000年11月で2000年6月にはDC4200Zoomが登場している。本カメラのスタイリングはDC4200Zoomのポリシーを踏襲しているのだろう。DC4200Zoomは当時はハイスペックの320万画素級の撮像素子に28mmから始まる広角系の光学3倍ズームレンズを組み合わせた野心的なモデルだった。電源は多くのファインピクスが採用するかまぼこ型の専用電池だが、コダックが単三型電池ではない専用電池を採用したのはDC4200Zoomが最初だったようだ。既存資源を変えたくない、融通の利かないプアホワイトを大切にする北米らしいいい話だ。
 本カメラのネット評判はすこぶるいい。なので本カメラをネット検索すると、多くのコンテンツがヒットするだろう。本カメラは230万画素級の撮像素子にライカ判換算で33mmF2.8の単焦点レンズを組み合わせる。今となってはどうという事のないレンジだが、当時としては頑張った広角系のレンズなのだ。感度はISO100で固定だが、F2.8なら頑張れば撮れる。コダックのデジカメは撮像素子が鷹揚なのかAEのプログラムラインが絶妙なのか、日陰でも気を抜かなければちゃんと写るのだ。ルミックスDMC−LZ10なんかと比べるのは彼に失礼だ。電源は単三型電池2本でそれなりに使い物になる。アルカリ電池だと厳しいかもしれないが、エネループなら問題ないな。仕様がファインピクス40iやファインピクス4500に近いが、本カメラはコンパクトフラッシュを採用するから制約が小さい。メディアについては、むしろ、ファインピクスのアキレス腱という話だ。
 本カメラの良さは使ってみると分かる。起動は相変わらず電源スイッチを押し込んでから撮影稼働状態に至るまで8秒くらいかかる。起動時には液晶ビュワーは非表示。生まれた時からデジカメのあった世代のカラからすると疑問符だろうが、旧世紀には液晶ビュワーをオフにして電池消耗を防ぐ撮影スタイルが存在したのだ。それほど、当時のデジカメは電池消耗がエコでなかった。同世代のオリンパスも同様だったし、特別な仕様ではない。液晶ビュワーのリフレシュレートや見え具合もマアマア。そもそも、この小さい液晶ビュワーでフォーカシングの成否の確認は不可能だ。拙僧が想像するに、本カメラのコアユーザーは液晶ビュワーなんて非表示で運用していたんじゃないかなあ。旧世紀のデジカメとしてはレスポンスも良好。AFも厳密な精度は怪しいが、1/1.75型の撮像素子にライカ判換算で33mmのレンズの組合せなのだから、大した問題じゃないと思うな。絞りも虹彩絞りではなく、穴の開いたレンズボードが切りかわる(か重なる)もので3段くらいかな。ニコンの高級機であるクールピクス950だって似たようなものだ。光学ファインダーの正確性だって大したものじゃないけど、プレビューで撮影結果は確認できる。それに、これはとても重要なことなのだけど、フラッシュモードを覚えているのだ。だから、発光禁止に設定しておけば、何時の間にかタイムオフで現減の再投入を行っても、クリティカルなスナップ撮影で不用にフラッシュを発行して、シリアスにヤバいシチュエーションにならないですむ。つまり、トラディッショナルなフィルムコンパクトカメラと似た感覚で撮影できるのだ。これはスナップシューターにとっては福音なのだ。それで「コダックのポジ」の発色が実現できる(ような気がする)のだから、レチナIIあたりでガンコに絵クタクロームを詰めていた方に、デジカメへの移行の口実が出来る。
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 本カメラは機能的にはスッカラカンのカメラである。出来ることより出来ないことの方が遥かに多い。ワンタッチで露出補正が出来ないと撮影がロクに出来ないメカライターの方とかは評価の対象にもしないだろうな。
 しかし、我々はコニカEFJとか、チノンの似たような物に130円くらいの24枚撮りカラーネガを装填して、喜んで撮影していたではないか。本カメラの魅力は、常に戦場に身を曝している方には満足な物だろう。
 例外でなく、本カメラも拙僧は捨て値で拾って、そこそこの価格で処分した。落札者の方が近代の戦争に本カメラを用いるのか、それともナガンやエンフィールドのライフルと同様にリビングを飾っているのかは知らない。
 しかし、我々の胸にはかつて戦場の「最後の一弾」を担ったカメラとして、本カメラを刻みたいものである。


 では、撮影結果(東京散歩編)を見て頂きたい。

(了:2013/12/04)

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