エプソン CP−920Zについて


CP_920Z
一世代を形成したエプソンのデジカメの集大成

☆ジャンク度☆
不具合無し
撮影可能


CP_920Z CP_920Z
 キヤノン製とされる光学3倍ズームレンズ。


CP_920Z CP_920Z
 当時としては上位クラスの300万画素級撮像素子。


CP_920Z CP_920Z
 「EPSON」ロゴが勇ましいが、ファインダーを含めた光学系ユニットは丸ごと三洋電機説も。


CP_920Z CP_920Z
 オーソドックスなL型スタイルボディ。
 ちょっと、ディマージュ7も髣髴する。


CP_920Z CP_920Z
 本格的なホットシューを装備。
 撮影モードが光学ファインダーと液晶ビュワーがあるのに注目。


CP_920Z CP_920Z
 ★マークで表す画像クオリティ。
 エプソンの伝統である。


CP_920Z CP_920Z
 バッテリーの消耗に厳しい時代のカメラなので光学ファインダーは重宝した。


CP_920Z CP_920Z
 液晶ビュワーに表示したメニューと周辺に配置したボタンの組合せもエプソンのポリシー。


CP_920Z CP_920Z
 プリンター屋さんらしく、ダイレクトプリントボタンを装備。


CP_920Z CP_920Z
 記録媒体はコンパクトフラッシュ。


CP_920Z CP_920Z
 信頼の日本製。
 単三型電池5本で起動する。



 2015年の現在では信じられないかもしれないが、プリンター屋さんのエプソンがデジカメの黎明期から一世代を形成していた。スタートは1996年に登場した、CP−100で、これは35万画素級なのは兎も角、液晶ビュワーが無いから撮影結果は確認できないし、撮影画像は内部メモリのみ。時代だなあと思わせるのがパソコン用のメモリで増設できた。なにしろ、ガチャピンが持ってバランスが取れる程に薄らデカく、カメラというよりカメラを模したイミテーションにしか見えなかった。それでも、カラーバランスが当たれば再現性もナチュラルで高評価だった。CP−200ではオプションだが再生専用の液晶ビュワーを用意し、CP−500になって液晶ビュワーを標準装備した。85万画素級だったCP−500は130万画素級のCP−600に進化する。その頃のエプソンのデジカメに共通する評価は「美しい画質」と「薄らデカくてエグいデザイン」であった。次にエプソンは金属外装でそれなりにスタイリッシュなCP−800を出すのだが、やっぱりどこか垢抜けないのがエプソンだな。それでも、エプソンの開発陣営にはカメラ好きの方がいらっしゃったらしく、限定的だが絞り優先AEを搭載していたりして、カメラ好きの琴線に触れる工夫があった。
 本カメラは新世紀の2001年4月に登場した300万画素級デジカメである。もっとも、実際には2000年3月に登場したCP−900Zのマイナーチェンジで、その当時としては300万画素級の撮像素子はハイブローであった。デジカメ史的にはコンシューマユースのデジカメとしては300万画素級の実現はカシオのQV−3000EXとキヤノンのパワーショットS20に次ぐもので、パイオニアと言っていいだろう。そのCP−900Zと本カメラのどこが違うのかよくわからないのだが、多分、プリンターと親和性の高い「PRINT Image Matching」を追加したくらいじゃないかな。どうも駆動系を改良して省電力化したとも言う。それよりも、本カメラがネット上で言われているのは本カメラのレンズがキヤノン製らしいのだ。それもパワーショットG1と同じものらしい。ということはカシオのQV−3000/3500EXやQV−4000とも同じということだ。更にパワーショットG1と撮像素子も同じだし光学ファインダーの位置も同じだというのだ。確かに、本カメラは絞ったスタイリングだから大まかなパワーショットG1のスタイリングとはかけ離れているが、光学系の位置関係は類似している気がする。カシオやエプソンのような伝統的な光学機器メーカーでないデジカメのレンズをキヤノンやペンタックスが請け負っているのは不思議ではない。オリンパスだってC−2100UZではキヤノンの手振れ補正機構付きのキヤノン製レンズを搭載していてオリンパスも隠していない。エプソンの場合、作っているのは三洋電機である。これは特殊なケースではなく、130〜300万画素級時代のデジカメはニコンもオリンパスも東芝も三洋電機が作っていた。勿論、全て同じという訳ではなく、マザーボードは共通でもレンズと画像処理系は別物とかテージによってさじ加減は大きく変わって、撮影結果が同じなわけではない。気になるのは、パワーショットGシリーズと言えば事実上キヤノンの顔であったはずだ。EOS 30Dがコンシューマにギリギリ買えるようになったとはいえ、ボディだけで中古のホンダのビート位の価格帯だったので、相当悩んでも手が出るものではなかった。若ささえ持ち合わせていればビートを買った方が遥かに幸せだしな。そのパワーショットGシリーズが外製ってのはキヤノンにしては意外だ。いや、事実かどうかは知らないけど。でも、事実だとしたらパワーショットG1だってパワーショットG2だって決して安いカメラじゃないから、実は山洋電機が作っていたと知ったら純血主義の強いキヤノンファンはガックリきちゃうだろうな。いまだにミッションもECUもホイールも純潔だと信じているトヨタオーナーはいらっしゃるみたいだし。
             ☆           ☆
 仕様をおさらいすると、撮像素子は1/1.8型の補色系300万画素級でレンズはライカ判換算で34〜102mmF2〜2.5を組み合わせる。パワーショットG1と全く同じで、これがQV−3000EXだと大きさは同じだが原色系撮像素子だ。今どき、原色系CCDだの補色系CCDなどというのは意味のある言葉ではないから、興味のある方は調べてほしい。スクエアなシルエットに微妙に曲面を描くフロントパネルを持つパワーショットG1に対し、本カメラはレンズやバッテリーなどのユニットごとに絞ったスタイリングでエッジが効いている。オリンパスのLシリーズディマージュ7シリーズに近いスタイリングだ。モードダイヤルは「連射モード」「光学ファインダー撮影モード」「液晶ビュワー撮影モード」「再生モード」「端末通信モード」「SETUPモード」を割り当てている。「光学ファインダー撮影モード」が独立しているのが時代を感じさせるな。当時はデジタルカメラの燃費は著しく悪く、液晶ビュワーを消した撮影も普通だったのだ。露出モードはプログラムAE以外にも選べ、露出・ISO感度・露出補正などきめ細かく設定できる。しかし、設定は液晶ビュワーに表示したアイコンと、その隣に配置した機械的なボタンで行い、慣れないとちょっと混乱して使い辛い。こういうインターフェイスデザインをエプソンは好きで、エプソンのデジカメに慣れた方ならスムーズな操作が可能かもしれないな。
 パワーショットG1と明快に違うのは電源が単三型電池を使用するのと、画像の保管処理で500(480)万画素級撮影モードを搭載することだ。画像の保管処理は兎も角、高額な専用バッテリーではなく単三型電池を使いたいという方はいらっしゃるだろうから、ブランド信仰の無い方には選択肢としてありうるだろう。ただ、本カメラは流通量が少なく、新品で売っているところは見たことが無い。エプソンも、そんなに本気で売った形跡がないので見かけることは稀だっただろう。もしかしたら、TV通販でプリンターとセットで売っていたのかもしれない。
             ☆           ☆
 距離計連動機のR−D1シリーズは除いて、エプソンは本カメラでコンシューマカメラ製造から撤退したと思われた。しかし、2003年になってからL−300/400と程細と開発を継続しており、拙僧の知る限りL−500Vまで続いた。
 エプソンの絵作りには特徴があり、原色系の発色がビビットでシャドウをあっさりと諦めている。これが見た目にはメリハリがあり、綺麗だと思わせるのだ。多分、そういう特徴は普及クラスのプリンターの特性と合っていたのだろう。パワーショットG1の撮影画像はプルーフとしては正しいのかもしれないけど、メリハリがイマイチだし発色もフラットなので、デジカメの構成要素として画像処理がいかに影響が大きいのか分かる。
 本カメラも起動や動作は時代的にもっさりしているが、ノーファインダーのスナップ撮影でもAFのヒット率が高くて、かなりしっかりしたカメラである。良いカメラだが、良いカメラと言うだけでは世知が無い世の中だから生き残れないよな。
 もっとも、エプソンがどの程度まで自社ブランドのカメラを普及させたかったかは疑問ではある。

 では、撮影結果(三河桜祭り編)をご覧頂きたい。

(了:2015/09/10)

クラデジカメ系列メニューへ戻る
「意してプラカメ拾う者なし」へ戻る