ニコン クールピクスP4について


COOLPIX_P4
ナイスグリップを廃したニコンの中核機。

☆ジャンク度☆
無し
撮影可能


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 ライカ判換算で36〜126mmF2.7〜5.3の光学3.5倍ズームニッコールを搭載する。
 ニコン伝統の光学シフト手振れ補正機構「VR」を組み合わせ、無敵か?

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 レイアウトはオーソドックス。
 絞り優先AE機構の搭載に注目。

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 2種類のVRモードとオフを選択できる。


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 あっさりとしたアイコンメニューだが、ニコンらしくていい。


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 「VR」搭載とはいえ、ISO400が上限なのは少しさみしい。


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 常識的な操作系。
 妙なタッチパネルよりも遥かに安心。

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 意外とぽっちゃりとしたボディ。
 バッテリーは薄型のEN−EL5を採用。割と持つ。
 記録はSDカードの他、23MBの内蔵メモリを登載。
 何故かSDHCカードには対応していていない。


 クールピクスP4の「P」は「パフォーマンス」を意味するらしい。てっきりキヤノンPのように「ポピュラー(ポピュレール)」と普及機を意味するのだと思った。手に取ると、そういう印象を持つカメラである。クールピクスPシリーズは2005年9月に登場したクールピクスP1から始まる。実質的にはクールピクス7900の後裔機で、採番のルールが変更になった。もしかしたら、キムタク効果の一環かもしれないな。そもそも、クールピクスの標準モデルはクールピクス880に始まるが、明瞭なグリップが特徴だった。これをニコンは「ナイスグリップ」と名称している。この辺の命名センスもニコンファンにはタマラナイ緩さだな。しかし、その効果とは裏腹にスタイリング的には不評だった。モデルチェンジを変える毎にナイスグリップは小さくなり、クールピクス7900やクールピクス5200になると、僅かに形跡を残すのみとなっている。そのわずかな突起はクールピクスP1では残っていたようだ。しかし、本カメラに至っては、ついにニコンはナイスグリップと決別してしまった。また、光学ファインダーもクールピクスP1で消滅している。本カメラの登場した2006年3月のニコンのラインナップが正確に分からないのだが、恐らく本カメラはニコンの標準モデルだったと思われる。ついに、ニコンの標準モデルはナイスグリップを形成した伝統的なクーピースタイルと決別したのだ。
             ☆           ☆
 本カメラには姉妹機のクールピクスP3が存在し、そちらは無線LANによる画像転送が可能だったようだ。実際には使い勝手がイマイチで不評だったらしい。その無線LAN機能を省略した廉価モデルが本カメラだが、実質的には同じもののようで、撮影に関する機能に遜色は無いようだ。
 撮像素子は810万画素級。レンズはライカ判換算で36〜126mmF2.7〜5.3の光学3.5倍ズームニッコールを搭載する。気が効いているのはニコンの伝統の剣である光学シフト式手振れ補正機構「VR」を登載しているのだ。老ニコン者にとっては「VR」と聞くだけで血圧が少し上がってしまう。どうやらニコンの標準ズームレンズ搭載コンパクトデジカメとしては初の手振れ補正機構搭載機が本カメラであるらしい。市場の視点からすると、これは割と遅い方で、本カメラの登場翌月の4月にキヤノンから初の手振れ補正機構付きIXYであるIXYデジタル800ISが登場している。ちなみに800ISとは言う物の600万画素級の撮像素子を搭載し、キヤノンが意外と手堅いステップアップをしているのが興味深い。この種のカメラはパナソニックが明らかに先行していた。似たようなスペックだと同年の7月に登場したルミックス DMC−FX30と近い。DMC−FX30は720万画素級だが、ライカ判換算で28mmから始まるワイド系ズームレンズのアドバンテージは高い。それにDMC−FX30は小型ながら爪型のグリップがついている。本カメラはナイスグリップと決別したが、さりとて表面に摩擦を考慮した形跡もなく、ツルンとしてホールディングがイマイチなのだ。DMC−FX30の小さなグリップは意外と効果が高い。そのグリップもどういう訳かパナソニックはルミックス DMC−FX35ではやめてしまった。実に惜しい。もっとも、DMC−FXシリーズのマットボディはそこそこ指の引っ掛かりが良いので、それなりにホールディングに安心できる。ニコンはスリムタイプのシリーズとして、翌年の2007年にはクールピクスS500を投入するのだが、これはヘアライン加工のフロントパネルは美しいモノの、全体的にツルツルであり、テーブルの上に置くのも気を使う程であった。
 VR機構を搭載するためなのか、ボディは意外ともっさりと厚い。クールピクス7900のギリギリまでそぎ落としたボディからすると肥えた感じである。それ故にホールディングに少しは貢献している。見てくれと諸元がペンタックスのオプティオA10と似ているのだが、実際にはかなり別のコンセプトである。オプティオA10の撮影画像のクオリティはあまり高くない。逆に本カメラの撮影結果はかなり良好で特徴的である。先のクールピクスS500や810万画素級のクールピクスS510が2.5型の撮像素子なのに対し、本カメラは大型の1.8型の撮像素子を搭載し、画質のこだわりを感じる。もっとも、撮像素子の大きさはオプティオA10と同様で、多分同じものなんじゃないかと思うのだが、オプティオA10はMPEG動画を撮影できる点で差別化を図っている。ペンタックスファンでもある拙僧としては、ペンタックスにはそういうイロモノではなく、正統的なジャンルで戦ってほしかったが、デジカメ大戦の敗北濃厚の当時のペンタックスとしては、色々な可能性を探る必要があったのだろう。
 本カメラの撮影画像のクオリティは高い。スカッとした気持ちの良い発色と鋭いエッジはニッコールの名に恥じない。惜しいのはISO感度の最速が400なことだ。VR機構の恩恵が露出3段相当だというから画質にこだわって400で止めてしまったのかもしれないが、拙僧のように「写っていれば良い」というダラシナイ人間からすると、ノイズが走りまくってもISO800は欲しかった。同世代のライバルであるフジフィルムのファインピクススF31fdが光学手振れ補正機構をあっさり捨て、実用的な高感度の実現で積極的な感度アップで手ブレを軽減するポリシーと対照的である。ファインピクスF31fdの撮影画像が、ニコンの写実性よりも絵画性を感じるのも興味深い。双方とも「フェイスクリアー機能」といった、人物の顔を綺麗に写す機能を搭載しているが、拙僧はあまり興味がないので論を得ない。撮影結果からすると、良好なのだろう。
             ☆           ☆
 本カメラは、ちょっとエッジが丸くぽっちゃりしたボディが高級感を削いでいるが、金属製外装であり、決して安物カメラではない。AFもAEも基本的には良好である。ややアンダーに写るときもあるが、発色が写実的なのでマイナスには思わない。弱点は2点あり、一つは時代的にも即応性がイマイチであり、一つは完全に日陰である時にAEがスロー過ぎるシャッター速度を算出するときがある。即応性については特に欠点とするのはフェアではないかもしれない。何せ2006年初期のデジカメなので、ライバルに比べて格別劣る訳ではない。欠点だと感じるのは2点が同時に発生する場合であり、具体的には日陰で瞬時にスナップ撮影したい時などにAEを外す、或いはシャッター速度が遅すぎてぶれるのである。日陰でも落ち着いて撮影すれば問題ないので、これは欠陥ではなく運用の問題であろう。驚くのは実用的な絞り優先AEを搭載することで、これはNDフィルターの開閉に寄る2段のみなどというおまけの機能ではない。また、拙僧は使わなかったがマニアルフォーカス機能も搭載するようだ。
 全体的にはよくできたカメラで、バッテリーのEN−EL5も比較的タフで流通量も多いから、バッテリー付きで800円くらいなら拾って頂きたい。

 では、撮影結果(名古屋散歩編)をご覧頂きたい。

(了:2014/12/09)

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